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変色系男子の日常。

🍛「Afterglow」に行った

午前、読書会に行こうとしたら自転車が壊れた。急遽、赤坂のミニベロ専門店で修理してもらうことになった 😭 そしてせっかく福岡におけるカレー王国である六本松の近くまで来たので、気になっていた「Afterglow」というカレー屋さんにランチに行くことにした。

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おしゃれですっきりとした見た目のお店だ。中はお客さんでいっぱいだったので、少し外で待つことになった。しばらくした後、店員さんに呼ばれてドアをくぐる。すると、スパイスというよりはハーブの香りが鼻孔をくすぐった。メニューを見るといろいろなカレーを提供しているようだ。日替わりのメニューから、最近ハマってるラムキーマカレーを選んだ。

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キーマカレーはラム肉の旨味もさることながら、スパイスやハーブの香り、そしてセロリやレーズンと行った具のフルーティさの方が強い感じがした。僕はもっとひき肉の旨味でこってりしたほうが好みだが、これはこれでおいしい。後味もハーブの香りが突き抜けるように感じですっきり。お肉、野菜、スパイス、ハーブといった様々な要素が見事に調和していて、レベルの高さをうかがえる一品だった。他のメニューも食べにまた行きたいな。今度はスリランカプレートを頼みたい。

My 🍛 Point: 8.5 / 10 (バリうまい)

📙「卵の緒」を読んだ

瀬尾まいこさんの「卵の緒」という小説を読んだ。あらすじは新潮社のサイトより次の通り。

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵の殻を見せて、僕を卵で産んだなんて言う。それでも、母さんは誰よりも僕を愛してくれる。「親子」の強く確かな絆を描く表題作。家庭の事情から、二人きりで暮らすことになった異母姉弟。初めて会う二人はぎくしゃくしていたが、やがて心を触れ合わせていく(「7's blood」)。優しい気持ちになれる感動の作品集。

2 つの作品が収録されていて、どちらも少し特殊な家族の話が書かれている。

感想は 読書メーター というサイトにすでに投稿している。

bookmeter.com

でもその感想欄だけではあふれる感動を書ききれなかったので、ここに少し追加で記しておきたい。

変に飾り気がない。安易なエンタメ展開がない。押し付けがましさがない。淡々と描かれた物語をただ読者に提供しているだけなのだが、話の筋を超えてもっと根源的な意味とか感動を与えてくれる。これぞまさに純粋な小説だなと身にしみて感じた。読書の喜びを再認識させてくれたこの小説に深く感謝したい。

🍛「マルハバ」に行った

最近精神的に落ち込んでいてなんにもしない日々が続いていた。このままじゃいけないと奮起して、少しずつカレー屋さんを開拓しようと思った。

前々から行きたかった、箱崎の「マルハバ」というパキスタン料理屋さんに行ってきた。ドアをくぐる瞬間から香ってくる、スパイスとハーブが混じった独特の香り。

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頼んだのはチキンカラヒというチキンカレー。ちょうどいいバランスのスパイス感がチキンの旨味を引き立てる感じ。そして特筆すべきはパラパラに炒められたインディカ米との相性が抜群だったこと (ライスはジーラライスというらしい) 。他のカレーではなかなか味わえないさらりとした食感でカレーが進んだ。

箱崎駅からそれなりに距離があるし、それでも足繁く通いたいほどの味かと言われれば首を傾げる。しかし、他ではなかなか味わえない独特な味だったので、また気が向いたら行きたい。

ちなみにライスが切れかけだったので、代わりに半分ビリヤニになった。思いがけないハーフアンドハーフにラッキー 😆

My 🍛 Point: 7.5 / 10 (かなりおいしい)

嫉妬と知識と馬鹿と

僕は嫉妬している。嫉妬の炎がメラメラと燃え盛っている。誰に嫉妬している?他人に対してではなく、過去の自分に対してだ。過去の自分を妬むなんて、最も愚かな年齢の重ね方のひとつに違いないけれど。

昔 (大きな挫折を味わった高校生以降) から今まで、人一倍の劣等感を抱えて生きている。しかし、10 年ほど前は根拠のない自信も持ち合わせていた。早朝はバイト、昼は大学、夜は遊ぶというバイタリティがあった。話の合う学友がいた。趣味の合う恋人がいた。毎週末のようにゲームのオフ会に参加し、あるいは主催していた。今と比べるととにかく行動力があった。

社会人になって 10 年ほど経とうとしている。学生のころに比べ、圧倒的に知識はついたし、それなりに経験も積んできた。いくつかの人生哲学を手に入れることもできた。しかし、知識を得た代償だろうか、行動する前に昔よりも考えすぎる癖がついてしまった。友だちと遊ぶときに昔は何も考えていなかったが、今では気難しいことを考えてしまう。要は頭でっかちになったと言えばいいだろうか。知識を得ることは必ずしも進化ではなく、時には退化に繋がると思った。

そんな現在、ふと脳裏をよぎったことがあった。だれだか有名な経営者が「成功するには馬鹿になれ」と言っていた。ようやくその言葉が腹落ちした気がする。様々な知識を得た上で、馬鹿になって頭でっかちな自分を捨て去り、行動する。そうすることで道が拓けるのだ。そして、知識を持つ馬鹿は豊富な知識を持ち合わせているがゆえに、知識なき馬鹿よりも圧倒的に優勢である。そういうことなのかと思った。

ニーバーの祈り という祈りがある。変えることができることを変える勇気と変えられないことを受け入れる忍耐、そしてそのふたつを見極める聡明さを与えてくださいという祈りだ。似たように、知識を活かして冷静になるべき局面と、馬鹿になってとにかく行動すべき局面があり、その両方を見極めることが大事なのだと思う。

人身事故のある日常

電車が止まっている。近くの駅で人身事故が起きたようだ。目の前に見えるのは固く口を閉ざした改札口と慌ただしく作業する駅員たち。僕は薬局で買ったサランラップを手に呆然と立ち尽くした。無名の誰かが駅で命を落としたことに対する思いは何も浮かんでこない。あるのは疲れ切った身体と深い諦念だけだ。

遠回りを余儀なくされた。人生には遠回りも必要だと謳う警句もあるが、そんなものクソくらえだ。ただ僕は自宅で温かな光に包まれて、疲れた身体を癒やしたいだけなのだ。しかしその求める世界はすっかり遠のいてしまった。

遠回りしたことにより、帰りがけにスーパーに寄ることができた。そこで安いツナ缶を買う。無機質な銀のツナ缶を手に取ったとき、ふと遊泳するマグロが脳裏に浮かんだ。閉ざされた改札や冷たい死体に侵されていた僕の静的な想像世界は、その瞬間に動的に変貌した。夏の太陽のように輝く銀色のマグロたちが、どこまでも続く海原をダイナミックに泳いでいる。遠回りは基本的には辛いだけだが、何かしらの意味が小さな福音として舞い降りてくることはあるんだなと思った。

「やがて君になる」6 巻 感想メモ

ついに始まる生徒会劇。間違いなく本作品のターニングポイントとなるのがこの巻だ。

やがて君になる(6) (電撃コミックスNEXT)

やがて君になる(6) (電撃コミックスNEXT)

以下、ネタバレ注意。

後半の出来事を読んで、天地がひっくり返るような思いがした。読者は分かっていたはずだ。いつかこの瞬間が訪れることを。そして、作中の侑と橙子のふたりも。

「好き」が怖い

「こういうあなたが好き」って「こうじゃなくなったら好きじゃなくなる」ってことでしょ?

だから「好き」を持たない君が世界で一番優しく見えた

違う!侑は今だって優しい

誰のことも特別だと思わない侑だからこそ好きになった橙子。その理由がこのセリフに集約されている。しかし「好き」を持たない侑はもはやいなくなってしまった。劇を通じて姉の代わりだった橙子がそうでなくなったように、特別を持たなかった侑もそうでなくなってしまったのだ。ふたりの関係をそうたらしめるあらゆる前提条件は、ついに覆ってしまった。

しかも、この後半の場面は 2 巻の後半の場面と対比的になっている。同じ河川敷で 2 巻では、侑は「先輩のこと好きにならないよ」と橙子に宣言していた。同時に侑は変わりたいと思うが、その気持ちは内にとどめていた。

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でも 6 巻でついに侑は変わってしまった。そして、その思いを橙子に打ち明けられずにはいられなくなった。

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同じ場所での対比的なシチュエーション、ここまで計算しているのかとうならされた。

氷の彫像のように繊細なふたりの関係。それを見事に描き出すこの作品に改めて脱帽した。変わってしまったふたりの行末を見守りたい。次巻の発売が楽しみで待ちきれない。

「ペンギン・ハイウェイ」はこの夏絶対に観てほしい 🐧

思いつきで「ペンギン・ハイウェイ」という映画を見てきた。原作は森見登美彦の小説だ。あらすじは Wikipedia より次の通り。

研究者肌でおっぱいに多大な関心を持つ小学四年生のアオヤマ君の住む街で、ある日突然、ペンギンの群れが出現する怪事が起こり始めた。ペンギンの正体と彼らの目指す先についての研究「ペンギン・ハイウェイ研究」を始めたアオヤマ君は、顔なじみの歯科医院のお姉さんがペンギンを出現させる瞬間を目撃する。だが、なぜペンギンを出せるのかは、お姉さん自身にも分かっていなかった。

ペンギンの出現法則を解明しようとお姉さんと実験をする一方で、アオヤマ君は、友人のウチダ君、同じクラスのハマモトさんとの三人で、ハマモトさんが発見した森の奥の草原に浮かぶ謎の球体〈海〉についての研究を始める。やがてアオヤマ君は、〈海〉とペンギンとお姉さんの奇妙な関連性に気づくのだった。

ものすごくよかった。原作は未読だが、森見作品らしい荒唐無稽さと爽やかさを存分に感じられた。

鮮やかなアニメーションに、ピアノを基調とした透明感のあるミュージック。終盤に大きな盛り上がりを経て、感動のラストを迎えて流れる宇多田ヒカルの主題歌。丁寧に演出されたお手本のようなアニメーション映画だった。

利発な少年と不思議なお姉さんの関係が、友情でも愛情でもない絶妙なものだった。お姉さんの正体は何者なのか、ふたりの関係はどう発展するのか最後までわくわくした。

アオヤマ少年は終始けだるそうだけども利発な表情で、でも年齢相応のあどけなさも若干ある。そんな特徴的なキャラクター性を持つ彼を視点として物語を追っているだけでも面白かった。

観終わったあと、まるで過去に置き去りにした夏を一気に駆け抜けたような充足感。清涼感とノスタルジーの混ざった感情が湧き上がる映画だった。

この映画はこの夏に絶対観るべきだ!夏が終わってしまう前に劇場で!映画を観終わって、興奮冷めぬなかスマートフォンを手にこの文章を書いた。