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✲゚。.ヾ(⌒(ノ'ω')ノ☆.。

変色系男子の日常。

日常の中のファンタジー

数年前「魔法少女まどか☆マギカ」(通称: まどマギ) というアニメ作品に出会ったとき、僕はこれほど愛すべき作品に出会えたことを、とても幸運に、かつ幸福に思った。その一方でこうも思った。「今後、これ以上の作品に出会うことはあるのだろうか?」と。ストーリーがあまりにセンセーショナルで、演出がとてつもなく魅力的で、キャラクターがこの上なく魅惑的だったからだ。しかし、この懸念はやや大げさであり、杞憂であることがそのまた数年後に分かった。「ひだまりスケッチ」というコミック・アニメ作品、村上春樹という作家の著作、「メイドインアビス」というコミック作品など、まどマギに勝るとも劣らない珠玉の作品たちに出会うことができた。

そして「ハクメイとミコチ」も僕の人生を大きく揺るがした作品のひとつだ。

今までに読んだコミック作品の中でも最も愛していると断言できる。これは 2 人の小人 (ふたりとも女性) が主人公で、彼女らのスローライフを描いた日常系ファンタジーだ。この世界には小人の他にも小動物や昆虫たちが暮らしている。設定はまさにファンタジーだが、この世界では現実世界と同様に経済が回っており、(動物や昆虫たちも含めて) 人々は職業に就き、窃盗などの犯罪もそれなりに発生している。つまり、僕らの現実世界と非常にそっくりな社会が形成されているのだ。その一方、登場人物のサイズがだいたい小さいのに対し、もののサイズが等身大なのもリアルだ。例えばコーヒー豆は彼女らにとっては両手で抱えるほどのサイズになる。このファンタジーとリアルが巧みに融合した様子が面白くて、リアル要素がファンタジー要素を強める要因となり、見るものを作品に没入させる。

巧みな設定に加えて秀逸なのが、緻密な書き込みだ。ひとコマひとコマが細い線で丁寧に書き込まれていて、それがまた読者を夢中にさせる要因になっている。彼女らのスローライフに合わせて、その素晴らしいイラストをじっくりと堪能しながら読み進めるのが心地よい。

これほど綿密に練り込まれたファンタジー作品は、もはや非ファンタジーとしての日常と区別が付かなくなる。まさに世界のどこかに、この愛すべきファンタジーの世界が存在していると確信が持てそうになるほどに。また、実際の幼い日の田舎での思い出が、この作品の牧歌的な要素に呼応しているのかもしれない。そして、このような日常の中のファンタジーは、僕に大きな安らぎを与えてくれる。

たぶん、日常とファンタジーは相反するものではなく、むしろ、表裏一体のものなのではないかと最近よく思う。この世界もまた、リアルとファンタジーの融合した結果生まれているのではないかと。まさに Mr.Children が fantasy という歌で表現している通りだ。そう考えると、ときに非情で理不尽で退屈に思えるこの世界も、捨てたもんじゃないなと思える。そういった思いをくれるファンタジーたちにこの上ない感謝を贈りたい。

僕らは愛し合い 幸せを分かち合い 歪で大きな隔たりも越えていける たとえばそんな願いを誓いを皮肉を 道連れにさぁ旅立とう 日常の中のファンタジーへと