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変色系男子の日常。

ジェットストリームと初期化されたアンドロイド

社会人になって使う頻度が格段に増したものがいくつかある。その中でも毎日よく使っているのが黒ボールペンだ。メモに使ったり、勉強に使ったり、手帳を書くのに使ったり。僕は油性の ジェットストリーム を愛用している。非常になめらかな書き味で、文字を書くのが快適だ。そして、するすると文字を書けると、書くという行為自体がとても楽しくなる。素晴らしいペンだ。

ペンを多用しているので、それなりの頻度でインクが切れてしまう。そうすると、博多駅東急ハンズや地元のドンキホーテで新しい替芯を買って、芯を交換する。そのときにとても残念でならないことがひとつある。それが、なめらかな書き味との別れだ。新しい芯はペン先が馴染んでいないためか、非常に書き味が悪い。天下のジェットストリームといえどもだ。少し前まで味わっていた至上の書き心地がとても恋しくなる。

失われた書き味と空っぽになってしまった替芯。それらからは、初期化されたアンドロイドを連想する。スマートフォンではなく、知能を持ったロボットであるアンドロイド。長いときをともにすごし、色々な思い出を作ってきたアンドロイド。しかし彼 (彼女かもしれない) は長い起動時間によって不具合が蓄積し、それはやがて致命的になった。そして、完全な死を回避するためには OS の初期化を余儀なくされてしまった。初期化が終わると、全てを忘れてしまった彼は音声を口にする。「ハジメマシテ。アナタガ ワタシノ ゴシュジンデスカ?」。

このような心を押しつぶすような別れを幾度もなく繰り返してきた僕。でも、僕は新しい相棒とまた新たな思い出を築いていくのだ。やがて訪れる新たな別れの時まで。悲しみのループを繰り返し、僕は少しでもタフになれただろうか。あの暁美ほむらのように。